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1992 年度 実績報告書

精神分裂病の転帰に関わる家族要因の同定および家属療法への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670517
研究機関長崎大学

研究代表者

道辻 俊一郎  長崎大学, 医学部, 講師 (90174060)

研究分担者 岡崎 祐士  長崎大学, 医学部, 助教授 (40010318)
太田 保之  長崎大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50108304)
中根 允文  長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
キーワード精神分裂病 / Expressed Emotion / FMSS / KAS / 家族研究
研究概要

本研究の目的は、分裂病者の家族の『EE(Expressed emotion,感情表出)』と家族が評価する患者の症状や社会適応状態の関連性について明らかにしようとするものである。治療状況が一定している離島部のある病院に通院中の慢性分裂病者を対象とし、家族のEE評価には「FMSS(The Five Minute Speech Sample)」を用い、患者の症状や社会適応状態に対する家族の評価には「KAS(Katz adjustment Scale)」を用いた。患者の症状や行動パターンに関して、自分の身内である患者が好戦的で非協力的で安定性に欠けている、あるいは無力であるとみなしている家族のEEは高いレベルにあった。また、high EEの家族は、自分の患者の社会的な活動の遂行度を低く評価し、余暇活動に対する強い不満を示す傾向があった。また他研究は、わが国においてEE評価法としてFMSSを採用した初めての試みであったが、high EE relativesの割合は27%(37人中10人)で、Maganaら(1986年)、Mallaら(1991年)の報告と比較すると、日本のhigh EE relativesの割合は、Anglo-American、Canadianより少なく、Mexican-Americanと類似していた。対象者の違いがあり単純に比較は出来ないものの、日本におけるFMSSの有用性が充分に証明されたと言える。さらに日本におけるFMSS-high EEの特徴として、諸外国の結果と比較してhigh EOI(Emotional overinvolvement,情緒的巻き込まれ過ぎ)を示す割合が多く、しかも、スピーチの途中で泣き出してしまうという、Emotional display(感情の現れ)を示す母親が多い点が明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大塚 俊弘,道辻 俊一郎: "The FMSS" こころの臨床アラカルト. 12-1. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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