光パルス寮法の前後で特続採血、終夜睡眠脳波、特続体温、アクチノグラムなど多くの指識を設定して季節性感情障害(SAD)の病態、光パルス療法の作用機序について検討することを目標にした。現在6例のSADを治療しているが、ほぼ実施できたのは一例のみである。しかしその結果、次のような注目すべき点が確認された。 1.SADの病相期における生物学的特徴 1)遊離トリプトファンが総トリプトファンの約5%と健常者に比して有意に低下していた。 2)メラトニンの日内リズムは午前3時項で(最大分泌時刻)健常者と同様であったが、分泌量が減少傾向にあった。 3)コルチゾ-ルは全時刻で増加傾向にあった。日内リズムは起床前後の午前6時頃で健常者と変わらなかった。 4)プロラクチンは全時刻で10ng以下で減少傾向にあった。 2.光パルス療法の影響 1)遊離トリプトファンが約10%と有意に増加した。 2)メラトニン、プロラクチン、コルチゾ-ルの分泌位相は2から3時間前進した。 3)体温リズムは約6時間前進し、終夜睡眠脳波でも睡眠パラメ-タが同様に前進している所見が得られた。
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