• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

膵十二指腸移植における組織適合体の意義と拒絶反応診断に関する実験的・臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670536
研究機関東京大学

研究代表者

内田 久則  東京大学, 医科学研究所・外科教授 (30050420)

研究分担者 井上 純雄  東京大学, 医科学研究所, 人工臓器移植科助手 (80147090)
中山 義介  北里大学, 医学部, 外科講師 (90155896)
西村 洋治  東京大学, 医科学研究所, 外科教務職員 (10218208)
杉本 久之  東京大学, 医科学研究所・人工臓器, 移植科講師 (20107428)
キーワード膵十二指腸移植 / 小腸ドレナ-ジ法 / 膀胱ドレナ-ジ法 / 胃ドレナ-ジ法 / イヌ膵移植 / 拒絶反応診断 / 電解質異常
研究概要

移植膵拒絶反応診断法を目的としてイヌ同種膵十二指腸移植を行い、十二指腸導管を膀胱に吻合し、尿中アミラ-ゼの定量により拒絶反応を診断してきた。しかしこれまでの検討では、膵十二指腸膀胱吻合群(10cm十二指腸segment)では膵液あるいは十二指腸液の尿中への喪失により著しい電解質異常と酸血症が起こるため、イヌの生存は小腸ドレナ-ジ群と比べ、短期間であった。今回の検討では、十二指腸導管を胃へ吻合する膵十二指腸胃吻合群と短十二指腸膀胱吻合群(5cmの十二指腸segment)を作り、生存その他について検討した。免疫抑制はciclosporinao mg/dayを筋注した。
〈実験群〉(1)十二指腸小腸ドレナ-ジ群(第1群)(2)10cm十二指腸segment膀胱ドレナ-ジ群(第2群)(3)5cm十二指腸segment膀胱ドレナ-ジ群(第3群)(4)十二指腸胃ドレ-ジ群(第4群)である。
〈結果〉生存は第1群133±107(S.D.)日、第2群16.0±5.8日、第3群10.8±5.5日、第4群79.0±118日であり、膀胱吻合を行った第2・3群では第1群に比べ有意に生存期間が短かかった。一方、2・3両群間には難がなく、死因はいずれも低Nacl,高K血症で酸血症が認められ、電解液の輸液補正によっても是正がなかなか困難であった。体液喪失源としては十二指腸液ではなく、膵液であることが今回の検討で明らかになった。各群イヌの尿中アミラ-ゼ排池量は第1〜7日まで平均し、第1群43.8±389(SD)Iσ/day第2群31,295±8572Iσ/day,第4群1,666±1186Iσ/dayで、第2群は第1,4群に比べ有意に高値で、この値をモニタ-することで移植膵拒絶反応診断が可能であった。これに対して血清アミラ-ゼ値、リパ-ゼ値の変動は非特異的で拒絶反応診断には不適当であった。
第4群では胃内視鏡により膵液を十二指腸粘膜の接取が可能で、生化学的ならびに組織学的拒絶反応診断が可能であると結論された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 井上 純雄,西村 洋治,和田 知可志,内田 久則,他: "膵外分泌ドレナ-ジ法からみたイヌ全膵十二指腸移植の問題点" 移植(第27回日本移植学会総会臨時号). 26. 293 (1991)

  • [文献書誌] 和田 知可志,西村 洋治,杉本 久之,内田 久則,他: "イヌ膵十二指腸移植膀胱ドレナ-ジ法における十二指腸short segmentの水電解質に対する影響" 第19回膵移植談話会プログラム抄録集. 31 (1992)

  • [文献書誌] 長尾 垣,西村 洋治,秋山 暢夫,内田 久則,杉本 久之: "膵十二指腸移植における拒絶反応の早期診断" 臨床成人病. 21. 1892-1895 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi