制癌剤感受性試験は、現在、in vitroではSDI法、Human tumor clonogenic assay(HTCA)、in vivoでは、Subrenal capsule assay(SRCA)、nude mouseを用いた方法などがあるが、いずれも決定的な方法ではなく、新しい方法の開発が待たれている。我々は、 ^<31>P核気共鳴装置を用い、ヒト癌細胞のリン脂質代謝を調べることにより、制癌剤感受性を細胞膜の障害として検出し、短時間の薬剤接触により薬剤の感受性を調べる。 ヌ-ドマウスにヒト癌細胞株を移植し、各種制癌剤を投与し、移植腫瘍を摘出する。用いる癌細胞は、食道癌細胞株WSSC、胃癌細胞株NUーGCー4で、制癌剤は、マイトマイシンc、アドリアマイシンで、細胞移植後1週間目に制癌剤を投与し、その後、移植腫瘍を摘出する。液体窒素にて凍結した後、5ml蒸留水と内部標準としてphosphocreatineを5μmol加え、PHを7.2に合わせたものをサンプルとする。 ^<31>Spectroscopyは、日本電子製JNKーGSX 270を用い、共鳴周波数109.6MHz、パルス角30度、繰り返し時間3秒、積算回数12000回にて測定する。
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