研究概要 |
1)Mizobuchiらの高速液体クロマトグラフィ-による尿中コチニン測定法を改良した。抽出法の改良、適当な測定条件の設定等により,尿中ユチニン測定の感度を3ng/mg creatinineまで改善した。 2)正常喫煙者23名,正常非喫煙者27名の尿中ユチニンを測定し,喫煙者と非喫煙者を鑑別するのに尿中ユチニンは適当であると判断した。また,喫煙していない患者の測定結果から、非喫煙者の受動喫煙の有無を判別するにも尿中ユチニンが有効であると判断した。これらの測定結果から,喫煙および受動喫煙の指標として以下のような基準を設定した。(1)尿中ユチニン50ng/mg creatinine以上は喫煙者(2)尿中ユチニン10ng/mg creatinine以上50ng/mg creatinine末満は受動喫煙の高度な非喫煙者(3)尿中ユチニン10ng/mg creatinine末満は受動喫煙の軽度な非喫煙者。 3)上記の基準を使用して,Buerger痛患者の尿中ユチニンを測定して,喫煙あるいは受動喫煙を客観的に判定した。患者では,禁煙中と申告していても実際には喫煙している例が多く,客観的に判定された喫煙あるいは受動喫煙はBuerger痛患者の生活習慣の判定に有用であった。 4)客観的に判定された喫煙あるいは受動喫煙とBuerger痛の痛勢との関係について検討した。喫煙例では非喫煙例に比べて有意にBueryer痛が悪化した例が多かった。しかし、受動喫煙とBuerger痛の痛勢との関係は不明であった。
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