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1990 年度 実績報告書

骨髄移植及び短期免疫抑制剤併用によるラット心移植の寛容誘導に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670545
研究機関大阪大学

研究代表者

中田 精三  大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (50116068)

研究分担者 伊藤 寿記  大阪大学, 医学部, 助手
白倉 良太  大阪大学, 医学部, 助教授 (00116047)
キーワードFK506 / 骨髄細胞 / 限界希釈法 / 細胞傷害性T細胞 / IL2産生 / サプレッサ-T細胞 / スパ-ガリン
研究概要

ドナ-抗原特異的な免疫学的寛容を誘導する方法を死体臓器移植にも応用すべく、移植当日にドナ-の骨髄細胞を投与し、同時に短期間の免疫抑制剤FK506を併用すると著明なグラフトの延長効果が認められる。そこでそのメカニズムについて検討した。動物モデルはラット異所性心移植であり、ドナ-の骨髄細胞(BM)を術当日に静脈内投与した。免疫抑制剤FK506(FK)は1mg/kgを-1,0,1日と3日間筋肉内投与した。一部のgroupには、FKを9,10,11または骨髄細胞をさらに3日間投与した。グラフトの生着延長したレシピエントの脾細胞を用いて限界希釈法(LDA)を行った。また、IL2産生のヘルパ-T細胞頻度;f(Thp)はCTLL2を用いたproliferation assayにより、細胞傷害性T前駆細胞頻度;f(Tcp)は^<51>Cr release assayによりPoisson分布の法則に従って計算した。各Groupは、G1:無処置群、G2:FKの3日間単独投与群、G3:FK投与とBUFのBMを投与、G4:FK投与と2回のBUFのBM投与、G5:2回のFK投与と2回のBUFのBM投与である。G2とG3の移植後10日目の脾細胞を用いてLDAを行った。f(Thp)において、G3では1/3617とG2の1/2003に比して低値を示した。なおG1でのそれは1/1720であった。またG3にはCD4^+サプレッサ-T細胞が認められた。一方、f(Tcp)はG2及びG3でそれぞれ1/1174及び1/1255と差を認めなかった。次にG5において、移植後60日目の脾細胞におけるf(Tcp)は1/7498と著明な低下を示した。同時に測定した正常ラット脾細胞では1/1884であり、グラフト拒絶後の脾細胞では1/350であった。同時期の脾臓には、CD4^+,CD8^+サプレッサ-T細胞が認められた。従って、FK/BM投与を受けたレシピエントの脾細胞において、移植後10日目、IL2産生のヘルパ-T細胞のクロ-ンサイズの有意な減少が認められた。また、移植後60日目には、FK/BM群において、細胞傷害性T前駆細胞のクロ-ンサイズの縮小が認められた。以上に加え、今回は同様の動物モデルに免疫抑制剤Deoxyspergualinを投与し,細胞傷害性活性とIL2産生能を検討した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Ito,S.Nakata,R.Shirakura,S.Yamamoto,M.Miyata,Y.Kawashima: "The mechanism of tolerance induced by a perioperative injection of bone marrow cells and a brief course of FK506." Transplant Proe. 23. 844-846 (1991)

  • [文献書誌] S.Nakata,T.Ito,R.Shirakura,H.Matsuda,M.Fukuzawa,S Nakano,N.Fukushima,Y Kawashima: "Immunesuppressive Mechanisms of 15ーDeoxyspergualin on Heterotopic Heart transplantation in Rats" Transplant Proe. 23. 864-865 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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