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1990 年度 実績報告書

毛根形成についてのin vitro培養系による基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670556
研究機関北里大学

研究代表者

塩谷 信幸  北里大学, 医学部, 教授 (80050376)

研究分担者 大谷津 恭之  北里大学, 医学部, 講師 (40177019)
内沼 栄樹  北里大学, 医学部, 講師 (90146465)
猪原 節之介  北里大学, 医学部, 助教授 (90101295)
キーワードラット胎児 / 上唇 / 毛根 / 細胞集合 / sorting out / 組織分化 / in vitro培養
研究概要

本研究は、毛根を構成する細胞をまず単離し、この単離細胞の再集合塊がin vitroで毛根を再形成する能力を保持しているかを知るための基礎研究として、ラット胎生期の上唇部細胞を用いた検討を行い、以下の成果を得た。
胎令15日胚より採取した上唇部組織塊をトリプシン処理して細胞を解離した後、次のような二段階培養を行った。第一段階(旋回培養)では、解離細胞を、10%牛胎児血清、3%ニワトリ胚抽出液を含む培養液(Dulbecco変法Eagle medium,Ham F12の1:1混液)中で24時間37℃で、60rpmの回転速度で旋回した。この培養の間に進行する上皮ー間充織相互作用の結果、毛根原基様構造を含む細胞再集合塊が形成された。毛根形成はこの培養ではそれ以上進行しないため、第二段階の培養として、再集合塊をコラ-ゲン破覆Nuclepore膜上に移し、上述培養液(ただし牛胎児血清を除く)上での静置浮遊培養を行った。6ー7日間の培養により、集合塊中の毛根原基は毛根へと分化した。
こうして純粋にin vitro下で形成された毛根の光学顕微鏡的特徴とその大きさは、in vivoで発生中の胎令18日胎児の上唇部毛根に匹敵した。さらに電子顕微鏡レベルの組織分化、細胞分化の程度も正常な成体の毛根と基本的に同等であることが判明した。即ち、角化した毛幹、内毛根鞘、外毛根鞘の全てが同定された。内毛根鞘は根鞘小皮、Huxley層(トリコヒアリン顆粒を含む)、Henle層を含み、また毛根基部には毛母基と乳頭部の明確な分化がみられた。このように、細胞のsorting outから毛根の完成に至る、全ての組織形成過程の正常な進行が可能なin vitro実験系は、毛根形成の解析系として有効であり、また毛根に関する治療学の分野の発展のためにも重要な基礎的知見を約束するものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 渡辺 真理子: "Hair follicle formation from a single cell suspension of rat skin by a dualーstep in vitro culture" Cell and Tissue Research.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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