研究分担者 |
平谷 勝彦 愛姫県立中央病院, 外科, 助手
大西 克幸 愛姫大学, 医学部・第一外科, 助手 (90127887)
金崎 悦子 愛姫県立医療技術短期大学, 第一看護学科, 助手 (90204536)
宮武 陽子 愛姫県立医療技術短期大学, 第一看護学科, 講師 (90157660)
富永 彬生 愛姫県立医療技術短期大学, 臨床検査学科, 助教授 (90036450)
|
研究概要 |
体腔の暗闇の中を観察し診断を下し,同時に限りなく非侵襲的な方法で手術を施行するという医師および患者の願いは,手術器具(内視鏡)の開発,技術の進行によってあらゆる体腔において叶えられるようになってきた。処置法が微小化されたため,手術侵襲は著しく縮少し,病悩期間,入院期間,就労不能期間の短縮がみられ,老人,病弱者までに手術適応範囲を拡大しつつある。 本研究では内視鏡(腹腔鏡)を用いて,四肢循環障害,多汗症,疼痛性疾患など交感神経遮断術適応疾患にたいする内視鏡による手術操作の開発を意図して基礎的,臨床的検討を加え相応の成果を得ることができた。 内視鏡装置のセットアップに始り,当初は後腹膜経路による腰部交感神経遮断法,殊に到達経路,間隙形成法の開発を行ったが,電気凝固法による神経遮断を行うまでには至らなかった。平成4年より自然な生理的解剖学的な体腔である胸腔内の手術操作に切りかえる例の胸部交感神経遮断に成功し,第33回日本脈管学会(岡山),1992年で口頭発表を行った。従来からの開胸手術と内視鏡手術の結果を比較検討し,次のような結果が得られた。1)内視鏡手術の画像はモニターの使用により直視下手術より明瞭である。2)内視鏡手術操作はある程度の慣力を必要とするが,不測の事態(出血、強い癒着など)がなければ安全に施行できる。3)手術時間は閉胸操作がないので短くてすみ,出血量も極端に少なかった。4)術後病悩期間,入院期間,就労不能期間の大巾な短縮が可能である。5)術後疼痛などの術後合併症が少い。これらの結果より内視鏡応用の交感神経遮断術は今後積極的に推進すベき良い方法と考える。他領域が試みられているレーザーの導入,ジェット水流による組織剥離など今後の改良,工夫が期待される。
|