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1991 年度 実績報告書

ヒト胃癌の主病巣および転移巣における癌遺伝子と癌抑制遺伝子の発現と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 02670565
研究機関東京大学

研究代表者

小堀 鴎一郎  東京大学, 医学部・(病), 助教授 (30110696)

キーワードgastric cancer / oncogene / antioncogene
研究概要

手術により切除された進行胃癌組織標本をただちに凍結させ、この癌細胞からグアニジンおよび塩化セシウムを用いた超遠心法により細胞内全RNA抽出を行い、oligo dT cellulose columnにてmRNAの精製抽出を試みた。抽出量は、胃幽門腺領域に発生した低分化型腺癌組織からは組織1g当たりmRNAは約2μg(全RNA量は50μg)であり、胃底腺領域発生の高分化型腺癌組織では組織1gについてmRNAは20μg(全RNA量として500μg)であった。すなわち、胃癌の組織型により同一方法にて抽出されるmRNA量に約10倍の差が認められた。これは低分化型腺癌においては間質細胞が豊富であり、相対的に単位体積当たりの癌細胞数が少ないことに起因すると考えられた。
上記の知見より、サブトラクションを実施するための低分化型腺癌由来mRNAを手術検体より十分に入手することは現実的には不可能と判断した。そこで、in vitroでのmRNA合成を可能にするため、SP6およびT7の2つのプロモ-タ-を有し、この両プロモ-タ間にクロ-ニング領域を有するクロ-ニングベクタ-を作成した。先に抽出した2つの組織型胃癌mRNAをそれぞれcDNAに合成し、その両端にEcoRI切断部分を持つアダプタ分子を結合し、そしてこれをベクタ-に挿入して2種類のcDNAライブラリを構築した。
得られたcDNAライブラリを検定したところ、およそ10^6個の組み替え体が得られ、更にcDNA長は平均2,000塩基対(最長約6,000塩基対)であることから、今後の検討に供し得るcDNAライブラリであると判定した。
現在は、2つのライブラリからSP6およびT7RNA polymeraseを用いてin vitro RNA合成を行っており、更にこのmRNAと異なる組織型胃癌のcDNAとの間でサブトラクションを行い、胃癌組織型に特異的な遺伝子の同定を行う予定である。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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