研究課題/領域番号 |
02670565
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小堀 鴎一郎 東京大学, 医学部(病), 助教授 (30110696)
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研究分担者 |
森塚 俊彦 東京大学, 医学部(病), 医員
清水 利夫 東京大学, 医学部(病), 医員 (40178976)
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キーワード | oncogene / anti-oncogene / stomach / subtraction |
研究概要 |
(1)ヒト胃癌の手術切除試料(高分化型管状腺癌および未分化型腺癌)から、それぞれRNAを抽出し、対応するcDNAライブラリーを作成した。 (2)ヒト胃癌の肝転移年の手術切除標本(高分化型管状腺癌)から、同様にcDNAライブラリーを作成した。未分化型腺癌については、肝転移巣の切除試料が得られず、従ってライブラリーは作成し得ていない。 (3)非癌部の胃試料より、対照とすべき正常cDNAライブラリーを作成した。 (4)上記の計4種類のライブラリーについて、平均遺伝子長の検定を行なった結果、正常対照cDNAライブラリーの収量が極めて少なく、かつ平均長も短いため、これを3回作成し直した。およそ3,000塩基対を平均とするライブラリーが得られた。 (5)ライブラリーをSV40プロモータを有する発現ベクタに組み換え、ラット線維芽細胞3Y1にトランスフェクトしたが、有意なトランスフォーマントを得られず、新たな癌遺伝子は得られなかった。 (6)高分化型腺癌ライブラリーより、ランダムに遺伝子をピックアップし、高分化型と未分化型のそれぞれのライブラリー間に発現の差があるか否かを検討したが、調べた20種類の遺伝子のなかには差が認められなかった。 (7)高分化型と未分化型のライブラリー間でサブトラクションを行なったが、サブトラクトされた遺伝子に有意なものはなかった。サブトラクションという技術で得られるほどに、発現に差のある遺伝子は存在しない可能性も否定できない。
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