研究課題/領域番号 |
02670587
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
比企 能樹 北里大学, 医学部, 教授 (10050395)
|
研究分担者 |
西元寺 克禮 北里大学, 医学部・消化器内科, 教授 (70050581)
榊原 譲 北里大学, 医学部・消化器外科, 助教授 (00050451)
蔵並 勝 北里大学, 医学部・消化器外科, 助手 (80170075)
嶋尾 仁 北里大学, 医学部・消化器外科, 講師 (00146408)
|
キーワード | 出血性潰瘍 / 緊急内視鏡検査 / 顕出血例 / 最終出血 / 短期要後 / 緊急手術 / 止血成功 / ヒ-タ-プロ-ブ法 |
研究概要 |
今回の我々の研究の特徴は、同一施設の内科と外科との共同による研究であることにある。即ち従来の出血性潰瘍の臨床研究は、外科の報告をみると、手術例の統計が主となることから、出血性潰瘍の本来の病態をつかむことは難しい。一方、内科からの報告をみると保存的治療を行ったものの経過がわかっても、全体としての病態を把握できない欠点がある。 我々は、かねてより内科・外科の外来を訪れた出血性消化性潰瘍患者をまとめて観察することにより、極めて自然な形での実態をとらえることが必要と考えて次の計画を立てた 外来を訪れ、内視鏡検査室で必ず出血源の確認を行うために内視鏡検査を行う。その結果、入院を必要とするものと、そうでないものとを選別する。この結果、入院を必要とした症例のみをいわゆる顕出血例として取り扱った。今回の対象は全て顕出血例を取り扱った。 内視鏡は、緊急内視鏡検査を行うことを常とした。緊急内視鏡検査とは、出血のエピソ-ドがあって、最終出血から24時間以内に行うか、或いは出血中に行ったものを云う。 以上の顕出血例の臨床経過と、止血後、退院したのちの経過を追跡した。 今回の治療法は主として、エタノ-ル局注法・ヒ-タ-プロ-ブ法、そしてNd.YAGレ-ザ-法により積極的な内視鏡的止血を行った。今回は、短期予後を中心に報告する。1971〜1979年の前期の出血性胃潰瘍の短期予後は、出血例166例中保存的止血可能であったものは、125例(75.3%)であり、緊急手術となったものは41例(24.7%)であった。一方1980〜1987年後期の成績は、283例中240例(84.8%)が止血成功、緊急手術43例(15.2%)であった。
|