研究課題/領域番号 |
02670587
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
比企 能樹 北里大学, 医学部, 教授 (10050395)
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研究分担者 |
西元寺 克禮 北里大学, 医学部, 教授 (70050581)
塚本 秀人 北里大学, 医学部, 講師 (60146420)
嶋尾 仁 北里大学, 医学部, 講師 (00146408)
三重野 寛喜 北里大学, 医学部, 講師 (80118843)
榊原 譲 北里大学, 医学部, 助教授 (00050451)
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キーワード | 高齢者の胃切除術 / 術後合併症 / 術後愁訴 / 手術死亡率 / Performance status / レーザー治療 / ヒータープローブ / 永久止血 |
研究概要 |
1.高齢者における外科手術の侵襲について(術後合併症の検討) 高齢者において胃切除を行った場合の術後の状況を調べる目的で、我々の施設で行った胃切除術後の臨床経過について調べた。すなわち最近5年間に、早期胃癌のために胃切除を行った322例の術後経過を年齢構成別に調べてみた。最近は、良性疾患における手術例が激減したために胃切除後の経過として、上記の早期胃癌の症例を対象とし、その術後愁訴を調べた。その結果、手術死亡は322例中1例(0.3%)であり、この1例は、術後に脳出血のために死亡した症例であった。一方、術後合併症については、特に80才以上の高齢者にその発生頻度が高くなり、肺合併症、感染症、肝障害、精神症状等が3.4%、5.0%、5.0%、5.3%にみられた。 更に術後愁訴として、食事の摂取量、術後体重の推移、そしてPerformance status(P.S.)等の経過を調べてみると、いずれも80才以上の症例では、回復が後れ、P.S.では70才 80才以上の症例では術後のP.S.2,3の症例が多いことが分かった。すなわち、床に臥している時間が多くなるという結果であった。このことから、特に高齢者の場合の胃切除は避けるべきと考える。 2.高齢者の消化管出血に対する先進技術による保存的治療について レーザー治療の成積が90%台の止血率であること、永久止血が得られたることは、ほぼ確実なデーターとして臨床例で証明されている。しかし、装置が大掛かりなことから、最近ではヒータープローブによる熱を利用した止血法が盛んに用いられるようになり、我々の施設で、特に一定期間、この方法によるトライアルを行ってみた。止血成績は、80%〜90%と満足すべきものであり、再出血も少ない。6ケ月以上経過した長期予後を追跡した結果、再出血により緊急手術となった症例は、132例の止血例のうちゼロであり、今後の成績が期待できる。
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