研究課題/領域番号 |
02670588
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
安藤 暢敏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90101972)
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研究分担者 |
愛甲 聡 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70202439)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20204878)
長島 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80198316)
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キーワード | ハイブリッド型人工食道 / 細胞培養 / 培養表皮細胞浮遊液 / 細胞播種 / 培養表皮細胞シ-ト / ディスバ-ゼ |
研究概要 |
ハイブリット型人工食道開発のため、表皮細胞培養を応用した以下の実験的研究をおこなった。 1.細胞播種法による結合織管内腔の上皮化 ラット背部皮下に直径1.0cm、長径2.0cmのシリコンでコ-ティングされたステンレスメッシュの管を埋没して作製した結合織管の内腔に、自家培養表皮細胞を注入播種することにより内腔の一部を上皮化し得た。しかし本法では生着する細胞は僅かで再現性に乏しかった。このため、以下の2、3、を検討した。 2.培養細胞シ-トの作製 培養細胞がシャ-レにsubconfluentとなった時点で、培地に20%FBSを添加した。表皮細胞は分化が促進されて重層化し、シ-ト状に回収できた。これを、1.で作製した結合織管内腔に基底層側が接するように移植し、内側よりDacron人工血管で固定した。移植約2週間後に結合織管を摘出して組織学的に検索したが、生着は認められなかった。 3.培養細胞回収における酵素処理の検討 1.の培養細胞回収過程において、トリプシン処理とディスパ-ゼ処理を比較検討した。トリプシン処理によるものでは培養細胞は細胞間の接着が切断されてバラバラに回収されるが、ディスパ-ゼ処理によるものでは細胞間の接着が保たれたまま集塊状に回収された。それぞれを結合織管内に注入播種して、上皮化の程度を比較検討した。トリプシン処理によるものでは15例中2例、ディスパ-ゼ処理によるものでは12例中5例で生着が認められ、またディスパ-ゼ処理によるものでは重層化の程度が良好であった。
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