研究課題/領域番号 |
02670592
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
久保 宏隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70119791)
|
研究分担者 |
田畑 泰博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20256415)
津田 直哉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50246419)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
キーワード | ストレス潰瘍 / フリーラジカル / プリン代謝 / キサンチンオキシダーゼ / ヒポキサンチン / キサンチン / 尿酸 / アロプリノール |
研究概要 |
実験I:実験にはWistar系雄性ラットを使用した。実験群は、水侵拘束負荷を加えていない非水侵拘束群、それぞれを水侵拘束1時間群、3時間群、5時間群、8時間群とした。各群を時間ごとに胃粘膜の出血・潰瘍形成の状態を内眼的に観察後、胃体部および胃幽門部に分けて、粘膜層と筋層に分離し採取した。組織内Hx,X、尿酸定量分析をHPLC-ECD法で行った。胃粘膜血流は電解式組織血流計を用いた水素イオンクリアランス法で測定した。実験II:Allopurinolを5mg/bodyを腹腔内投与。投与30分後より水侵拘束負荷を開始し、実験Iに準じて胃粘膜の出血・潰瘍形成の状態の肉眼的観察、胃体部・幽門部粘膜内・筋層内のHx、X、尿酸を定量分析を行った。結果:ストレス負荷後の胃組織分画中のHx・X・尿酸の変動の結果は、潰瘍の発生に先だって胃組織全体にプリン代謝に異常をきたしていることが分かった。ストレス負荷によっておこる胃組織の血流低下時に、Hx・X・尿酸の上昇を認めたことよりXO活性化が明らかに起こっていることが証明され、さらに、Hx・X・尿酸の生成量とその組織障害との程度との相関関係が比較的高いことから、Hx・X・尿酸の生成量とラジカル(O_2)の発生量と相関があると予測され、ストレス潰瘍発生にラジカルが関与することが明かとなった。XO抑制剤のAllpurinolを投与すると、胃体部、幽門部ともに組織内Hxは投与前値より有意に高値になりストレス負荷後も高値を維持したが、X・尿酸は著明に低値となりストレス負荷後依然として低値を示した。Allpurinol投与群と非投与群のストレス潰瘍発生程度を比較すると投与群で潰瘍が抑制されている傾向が確認された。この結果からAllpurinolを投与によってXO活性化が著名に抑制されてストレス荷により発生するラジカル量が強く抑制されるため、潰瘍発生が押さえられたと考えられる。
|