研究課題/領域番号 |
02670593
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
浜野 恭一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20075253)
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研究分担者 |
斉藤 登 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10225724)
泉 公成 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50193371)
宮崎 要 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70200152)
中島 清隆 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10188948)
亀岡 信悟 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (80101848)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 大腸癌 / ラミニン / 肝転移 |
研究概要 |
「目的」ラミニンは細胞基底膜に存在する糖蛋白で、基底膜より遊離したラミニンが癌の浸潤や転移に重要な役割を担っているといわれている。そこで我々は、血行性転移予知因子としてラミニンについて、組織染色ラミニンおよび血中ラミニン濃度の2点より検討を加えた。 「結果」A)組織染色:1)大腸癌組織のラミニン染色の固定法を、ホルマリン固定、凍結切片、アルコール固定の3者で57例の標本を使用し比較検討したところ、ホルマリン固定に比べ、凍結切片、アルコール固定が安定しており、後2者を使用することとした。2)57例の組織ラミニン染色を検討すると、染色性の低い症例程、肝転移が高率にあった。3)ラミニン染色に対して、染色陰性を1、染色強陽性を4とし、その間を2、3とスコア化して評価し、200例の組織ラミニン染色(1989.5.-1992.4.)を再発の有無等で検討した。再発のない治癒切除症例(n=145)のスコアは2.68±1.06,同時性肝転移症例(n=28)は1.64±0.72、異時性血行性転移症例(n=12)は1.58±0.76となり、血行性転移症例は同時性、異時性ともに転移のない症例より数値が低い、すなわちラミニン染色性が低かった(P<0.001)。よって組織染色は異時性血行性転移の予知にも有用であると思われた。B)血清ラミニン:再発のない治癒切除症例(n=145)は179.93±42.62ng/ml,同時性肝転移症例(n=28)は212.56±48.73ng/ml,異時性血行性転移症例(n=12)は183.77±33.64ng/mlとなり、同時性肝転移症例は血清ラミニン値が高かったが、異時性肝転移症例では非肝転移例と有意差を認めなかった。血清ラミニン値の肝転移予知に関する有用性は症例の蓄積により再度検討したいと思う。 「まとめ」組織および血清ラミニンの大腸癌血行性転移の予知因子としての有用性が示唆された。
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