研究課題/領域番号 |
02670605
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡林 均 京都大学, 医学部, 助手 (10204009)
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研究分担者 |
岡本 好史 京都大学, 医学部, 助教授 (80116392)
赤松 映明 京都大学, 工学部, 教授 (40025896)
伴 敏彦 京都大学, 医学部, 教授 (00173120)
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キーワード | Tea Spoon Pump / 左心補助 / 血液損傷 / 非拍動流 |
研究概要 |
TeaーSpoon Pumpを用いて完全左心補助の実験的検討を行った。実験動物としては成羊を用い、ケタラ-ル、フロ-センにて麻酔を行った後左開胸とし、左心耳脱血、下行大動脈送血とした。生体心はintactのままとし補助循環を行ったが、ポンプ機能としては、全例で4L/min以上の流量を維持するのが容易であった。またポンプ中、大動脈圧、中心静脈圧、左心房圧をモニタリングし、随時採血を行い補助循環中の血液パラメ-タ-を測定した。その結果、完全左心補助においては平均血圧、脈圧共低く、循環動態を維持するためには、中等量のカテコラミン(ド-パミン10ー20g/kg/min)を必要とした。一方溶血に関しては、遊離ヘモグロビン、総ビリルビン、血小板数、ヘマトクリットなどの時間的推移よりみて血液損傷は軽微であった。しかし、4頭とも術後立位をキ-プできず、食欲など通常のactivityを示したのは1例のみであった。また、ポンプ中に心室細動が起きたときにhypovolemiaの状態では脱血が不十分で、循環を維持することが困難であった。こうした結果より非拍動流の完全左心補助の場合充分なボリュ-ムの輸液が必要と考えられた。また、非拍動流の非生理的影響に関する報告も多くみられることより今後は、pulse generator等を用いて拍動流と非拍動流の生体に与える影響を検討しなければならないと考えられた。また、最終目的としてこのポンプの体内埋め込みを目指していることからポンプの更なる小型化が必要と思われた。
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