研究概要 |
肺移植もしくは心肺同時移植の際に関題となる保存肺の評価を、エネルギ-代謝面より行うために、実験動物の肺を用いて、^<31>PNMRーSectroーscopyを用いて評価することを目的としているが、本年度は、その基礎実験として、潅流モデルにて、各種保存法での保存状態を、肺血管抵抗,肺コンプライアンス,ガス交換能、乾湿重量比等の面から検討した。実験動物はWisterラットを用い、心肺摘出標本を、標準ガスにて脱酸素化したウシアルブミンがPerfluorochemicalを潅流液として37℃で20分間定圧換気定圧潅流を行い、その後保存液で7℃、intrationの状態で24時間保存し、さらに保存前と同様の換気潅流を行い、一回換気量、肺潅流量、肺静脈酸素分圧、肺湿乾重量比を保存前後の回復率で評価した。保存液はUW液、EuroーCollins液を使用した。以上の回復率はいずれもUW液が良好で、肺潅流量及び肺湿乾重量比で、両保存液間に有意差を認め、7℃、infrationの冷却浸漬保存では肺機能面からの評価ではUW液による保存の方がEuroーCollins液による保存よりも良好で、特に肺血管系に対して有効であることが判明した。
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