研究課題/領域番号 |
02670618
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
関 淳二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 研究員 (20163082)
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研究分担者 |
高見沢 計一 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 研究員 (10163312)
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
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キーワード | 拍動流 / 弾性管内流れ / 血管弾性 / レ-ザ・ドップラ流速計 / 脈波伝播 / 伝播速度 / 微小血管網 / 高血圧ラット |
研究概要 |
動脈硬化などの血管病変は動脈分岐部や湾曲部に多発することから、血流が血管壁に与える影響がこれら病変の発症に重要な役割を果たしていると考えられている。一方、動脈壁の弾性的性質は血流に大きな影響を及ぼす。本研究では血流に及ぼす血管弾性の影響の定量的評価を目的とし、今年度は以下に述べるように大型拍動流路を用いたin vitro実験及び微小血管におけるin vivo実験を行った。 In vitro実験では、昨年度製作した大型拍動流路を用い、定常流及び拍動流条件下にレ-ザドップラ流速計によって管内流速分布を計測した。定常流の下で得た流速分布はポアズイユ分布とよく一致し、この流路によって十分に発達した流れが得られることが示された。拍動流に下での計測結果は、最小流量時の管壁近傍における逆流成分や、加速時期における変曲点の存在などが明瞭に観察された。この結果は理論的に求めた流速分布とよく一致し、拍動流においても十分発達した流れの得られることが示された。また、これに対応する弾性管内流れを計測するためポリウレタンを用いた透明弾性管を製作し弾性管内流れの計測を開始しており、剛体管内流れの結果と比較することによって、血液流れに対する血管壁弾性の与える影響を定量的に評価できると期待している。 In vivo実験においては昨年度、微小血管における脈動血流をレ-ザドップラ流速計を用いて計測し、高血圧ラットでは正常血圧ラットと比べ微小な細動脈において脈波の位相の遅れが大きいという結果が得られた。そこで同種のラットを用い腸間膜上の単一の微小血管において脈波伝播速度を計測した。その値は10cm/s程度であり、血管径とともに増大するという理論的モデルと合致する結果が得られた。例数を増やして来ラットの比較を行う計画である。
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