研究課題/領域番号 |
02670621
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
兵頭 明夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40167606)
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研究分担者 |
能勢 忠男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10009699)
吉澤 卓 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00210667)
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キーワード | 核磁気共鳴画像 / 脳虚血 / 実験モデル / 小動物 / ラット / GdーDTPA / Gdー^<14>CーDTPA / 病理組織所見 |
研究概要 |
【目的】ラット脳梗塞モデルにおけるMRI所見による脳梗塞の経時的変化の同定に、GdーDTPAによる増強がどの程度有用であるかを、Gdー ^<14>CーDTPAによるオ-トラジオグラフを用いて検討することを目的とした。【方法】雌雄Wister系ラット(体重260〜740g)15匹を用い、脳虚血巣はTamuraらの方法を用いて、手術用顕微境下に左中大脳動脈を露出し、凝固、閉塞して作成した。脳虚血作成後3時間、3日、1週間、2週間、3週間に各3匹ずつ麻酔後腹部大動脈を露出してカニュレ-ションを行い、Gdー ^<14>CーDTPA 0.5mmol/30μCi/kgを注入、5分後に脱血屠殺し、脳を摘出した。脳を凍結、薄切後、オ-トラジオグラムを得るとともに、切片の隣接片をHE染色し、比較検討した。オ-トラジオグラムのホットエリア、およびHE染色による組織所見における脳虚血部位を同定し、ポルメトリ-により面積を測定、比較検討した。【結果および考察】脳虚血作成後3日から3週間の群では、HE染色における脳虚血巣の大きさとGdー ^<14>CーDTPAによるオ-ストラジオグラムのホットエリアの大きさとはほぼ一致しているが、3時間の群では、RIの集積は、HE染色における脳虚血巣の大きさより有意に小さかった。これらの結果より、Gdー ^<14>CーDTPRは、3日以降3週間までの群においては、脳梗塞巣に確実に入っており、脳梗塞のMRIによる診断において、GdーDTPAによる増強が有用であると思われる。また3時間の群では、いまだ血液脳関門の破綻の程度が軽いためか、Gdー ^<14>CーDTPAの集積の範囲が狭いが、脳虚血巣と思われる部位に集積を認めており、MRIによる脳梗塞の初期変化の同定にも、GdーDTPAによる増強が有用である事が示唆された。【結果】ラット脳虚血モデルによるGdー ^<14>CーDTPAを用いた検討により、MRIによる脳梗塞の診断において、GdーDTPAによる増強は有用であり、初期変化の同定においても有用なことが示唆された。
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