研究課題/領域番号 |
02670621
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
兵頭 明夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40167606)
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研究分担者 |
能勢 忠男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10009699)
松村 明 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90241819)
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キーワード | 核磁気共鳴画像 / 核磁気共鳴スペクトル / 脳虚血 / 実験モデル / 小動物 / ラット |
研究概要 |
【目的】ラット脳虚血モデルにおけるMRI所見の経時的変化を同定しTTC、HE染色における実際の脳虚血巣の範囲と比較検討すること、およびラット脳虚血モデルにおける^<31>Pの核磁気共鳴スペクトル所見を得ることを目的とした。 【方法】雌雄Wister系ラット(体重300〜700g)を用い、脳虚血巣はTamuraらの方法を用いて、手術用顕微鏡下に左中大脳動脈を露出し、凝固、閉塞して作成した。MRI画像は、BRUKER社製、BIOSPEC:BMT24/20、2.34Tesla、動物用核磁気共鳴装置を用い、^1HのT_1強調画像としてSE法500〜700/30で、T_2強調画像としてはSE法2500/30で撮像した。 ^<31>P核磁気共鳴スペクトルは、ラット局所脳虚血モデルでは病巣が小さすぎて所見をとることが不可能であるため、結局低酸素による全脳虚血モデルを作成して核磁気共鳴スペクトルを得た。 【結果および考察】ラット中大脳動脈閉塞による局所脳虚血モデルのMRI撮影は、Coil等の技術的問題からか困難を極めたが、24時間後の脳虚血モデルにおいて撮像を行い、虚血巣を同定し得た。^<31>Pの核磁気共鳴スペクトルについては、低酸素によるラット全脳虚血モデルについて所見を得る事ができたが、脳虚血後20分において、クレアチンリン酸およびATPの減少、無機リンの増加を認めた。小動物による脳虚血モデルにおける核磁気共鳴所見についての研究において、いまだ技術的問題により撮像困難な部分があるが、ラットを用いた脳虚血モデルにおいても、本研究の遂行は可能と思われ、既に行ったウサギを用いた脳虚血モデルにおいての研究同様、今後技術的問題を克服し、研究が遂行される事が期待される。 【結論】ラット脳虚血モデルにおいて、虚血後のMRI所見、および核磁気共鳴スペクトル所見を得た。ラットのような小動物においては、いまだ若干の技術的問題があるが、小動物を用いての本研究も十分可能であり、今後の発展が期待される。
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