研究概要 |
(1)グリア系株化腫瘍細胞(9L,C6,RG12)に対してmembrane invasion culture systemを用いて能動的透過性(locomotion)を見た。すなわち,5〜8μのcellurose nitrate filter上に一定数の腫瘍細胞を播き,そのうちでfilterをactiveに通過した細胞の数をcolony数aで代表させ,同時にfilter上と同数の細胞をdish上に播いてcolony数bを求めてcontrolとした。bに対するaの割合を細胞の能動的透過性(locomotion)の一表現として利用した。この結果9L,C6,RG12でbに対するaの割合はそれぞれ0.7,0.45,0.35で,細胞外マトリックスの欠如などの問題はあるが,各株化細胞間でlocomotionには明らかな差のあることが示された。現在,ケモタキシスチェンバ-によって更に詳細な検討を行っている。 (2)妊娠17〜18日目のSDラットより胎児脳を無菌的に摘出し,単細胞浮遊液として48時間血清加培地で培養後,EGF,FGF,insulin,transferrin,hydrocortisone,tricodothyronineを加えた無血清培地で培養し,Confluentの状態にまでの培養を達成した.この細胞を用いて,細胞外マトリックスの抽出及びスフェロイドの作成を試みたが,無血清培地での細胞の成長が必ずしも一定せず成長因子の追加を検討中である。
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