研究概要 |
先ず、組替え遺伝子導入を図るため、マウスILー2,ILー5,ILー7の各リンホカイン遺伝子(cDNA)を組み込んだレトロウイルスベクタ-を作成した。これらベクタ-が実際に感染し、各遺伝子産物を発現することをマウス繊維芽細胞を用いて確認した。次に抗腫瘍エフェクタ-細胞としてマウス脾細胞よりILー2存在下にNKーlikeな活性を有するlymphokineーactivated killer(LAK)クロ-ンの樹立を図った。このクロ-ンの樹立が極めて困難であったため半年余りを費やしてしまった。結局長期維持培養可能なクロ-ンの樹立が出来なかった為、京都大学医学部免疫研究施設の栗林景容博士よりLAKクロ-ンの供与を頂き実験を行っている最中である。ただILー2依存性のリンパ球の長期安定培養が技術的に困難であるため、現在のところ遺伝子導入を確認したリンパ球株の樹立は出来ていない。 そこでこれら実験と並行して、マウス神経系腫瘍にこれらリンホカイン遺伝子を導入し、in vivoにおいてこれら遺伝子導入腫瘍細胞の発育成長もしくは生体よりの拒絶機構がどの様に変化するのか解析を行おうとしている。マウスグリオ-マ株203ーgliomaに現時点では、ILー7の遺伝子導入に成功しており、この遺伝子導入腫瘍株のin vitroにおける形質の変化を調べているところであるが、近日中にマウスを用いて、in vivoに実験にかかる予定である。
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