• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

臨床用核磁気共鳴スペクトロスコピ-(MRS)装置を用いた小児脳脳代謝の評価

研究課題

研究課題/領域番号 02670629
研究機関神戸大学

研究代表者

藤田 勝三  神戸大学, 医学部, 助教授 (60093530)

研究分担者 大井 静雄  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30194062)
玉木 紀彦  神戸大学, 医学部, 教授 (10030941)
キーワード脳虚血 / 脳代謝 / MR Spectroscopy
研究概要

一過性脳虚血後の脳組織エネルギ-代謝の可逆性,可塑性は脳組織の成熟度と関連があるといわれている。しかし成熟脳および未熟脳において,脳虚血後の回復について定量的に比較することは,個体間の脳障害の程度を一定にすることが難しいため容易ではない。今回我々は全脳虚血モデルを用い, ^<31>PーMRSのシグナルをモニタ-することにより脳虚血の負荷を一定の程度に保つ方法で,生後1年(A群,nー41,3ケ月(B群,n=4),1ケ月(C群,n=4)の各群間でのリン酸エネルギ-代謝および脳波活動の回復過程を比較した。両側頸動脈,および椎骨動脈の一時的結紮に加え,20ml(kgの脱血による低血圧を負荷し,βーATPレベルを正常値の1/3に低下させ15分間維持した。血流再開後βーATPはコントロ-ル値を1とすると,B群では0.90±0.001,C群では0.97±0.004まで回復したのに対し,A群では0.71±0.05にとづまった(P<0.005)。PCrはB群0.91±0.01,C群0.94±0.04に対しA群0.59±0.12(P<0.01),PiはB群1.08±0.03,C群1.05±0.03に対し,A群1.36±0.13(P<0.05)といずれも生後1年の成熟犬で有意に回礎が不良であった。一方脳波では,A群では回復を認めなかった。またB群では,血流再開後4時間でわずかに回復の兆しを示したのに対し,C群では血流再開後1時間で回復を示しコントロ-ルの80%まで回復した。
未成熟群と成熟群との間で脳虚血からの回復に有意差を認め,かつ生後1ケ月群では3ケ月の群に比べ,可逆性,可塑性が良好な結果を示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 藤田 勝三,玉木 紀彦,松本 悟: "頚動脈海綿静脈洞瘻に対するelectrothrombosriによる治療" 脳卒中の外科. 18. 337-342 (1990)

  • [文献書誌] 藤田 勝三,白口 隆行,林 賢浜,朝田 一雄,江原 一雅,玉木 紀彦: "重症クモ膜下出血後のsymptomatic Vhsospasmに対するticlopidine,Albuomn,nicardipineの併用療法の有効性について" 脳卒中の外科. 19. 247-251 (1991)

  • [文献書誌] 藤田 勝三,白口 隆行,鈴木 寿彦,増村 道雄,朝田 一雄,江原 一雅,玉木 紀彦: "脳動脈瘤のmck clippong後に発生した窩通動脈閉塞症例の検討" 脳卒中の外科. 19. 624-630 (1991)

  • [文献書誌] 藤田 勝三,玉木 紀彦: "脳血管障害と凝固能異常" 臨床病理. 39. 729-735 (1991)

  • [文献書誌] 藤田 勝三,白口 隆行,江原 一雅,朝田 一雄,玉木 紀彦: "高令者重症くも膜下出血症例に対する療法方針" Geriatinc Neuroswgevy. 4. 112-116 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi