研究課題/領域番号 |
02670634
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
朝倉 哲彦 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30075254)
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研究分担者 |
中村 克巳 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60180361)
新納 正毅 鹿児島大学, 医学部, 助手 (30172612)
楠元 和博 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40145488)
門田 紘輝 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00094136)
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キーワード | Epiepsy / Surgical Treatment / Magnetic Resonance Imaging / Magnetic Resonance Spectroscopy / ^<31>P-Chemical Shift Imaging / CSI / GABA / Neurotransplantation |
研究概要 |
本年度は本研究の最終年度にあたり、臨床的、基礎的研究をまとめ、てんかん焦点の形態的、化学的検討をふまえ、新しいてんかん治療の可能性について以下の点で、研究のまとめを行なった。難治性てんかんに対する診断の確立・手術等の適応決定の研究の為にMRIによるてんかん患者の形態学的変化の検討を行った。また31P Spectroscopyにより、てんかん焦点のin vinoでのエネルギー代謝について研究した。それらの成果は 第12回日本脳神経外科コングレス(新潟)、第26回日本てんかん学会(名古屋)、第51回日本脳神経外科学会総会(鹿児島)、第15回ペンフィールド記念懇話会(鹿児島)、The 1st International Symposium on the Surgical Theatment of Epilepsy in Kagoshima(Kaogshima)に於いて発表した。以上の結果を要約すると、(1)我が国のてんか外科治療の現況は、上記の対象779施設で難治てんかん対して外科治療を行っているかどうかについては、1987年は、全体で29施設(5.1%)、今回は34施設(4.3%)、年間症例は120例前後で、若干増えてはいるが、大半の施設では依然として行っていないことが判明した。(2)当科での、超伝導MRIによる100例のてんかん患者をもとめた。MRIで検出された48病変部位のうち26病変(54%)が側頭葉に集中しており、長期薬物療法患者の約1/4に側頭葉病変の関与が示唆され、難治性てんかんの一端を側頭葉病変が担っていることが窺える。(3)さらに^<31>P-CSIによる検討を行った。対象は、部分発作13例、全般発作10例の計27例で、CSIで異常所見を認めたものは27例中21例で、部分発作17例中15例、全般発作10例中6例であった。Peri‐ictalの症例では(無機燐)の増加が認められた。器質病変を伴う症例ではPi,PCrの低下に加えATPの低下もみられた。^<31>P-CSIは、てんかん焦点の診断に有用である。これらの結果をふまえててんかん外科治療のガイドラインを作成した。
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