研究概要 |
1.臨床例の検討:基底核部脳出血症例の冠状断Magnetic Resonance像を画像解析装置にてcholinergic systemとの関係を検討すると,特にT_2強調画像にてnucleus basalis Meynertよりexternal capsuleへいたるpathwayが血腫の影響を受けることが明らかとなった。しかしながら臨床症状とそのcholinergic systemでの病態の関連はさまざまな他の要素もあり明かにすることはできなかった。 2.実験的検討:microballoon inflationモデルによりglobus pallidus近傍にmass effectによる虚血性の病変を作成しえた。モデル作成後1ー7日後に[ ^<14>C]iodoantipyrine autoradiography,[ ^<14>C]deoxyglucose autoradiographyにて脳循環,脳代謝を検討すると,Microballoon挿入部位より比較的離れた病変側frontal cortexにても脳血流の低下やグルコ-ス利用率の低下を認めた。中枢神経におけるacetylcholinesterse(AChE)は特異的とはいえないが密接にcholinergic systemと関係していると考えられている。最近,high sensitive AChE組織化学染色が開発された。この組織化学染色をcomputer assisted画像解析装置にて細線化処理を行いAChE陽性神経線維の定量化を試みた。control ratでのfrontalではl mm^3あたり9ー11mのAChE陽性神経線維が存在することが明らかとなった。そして,microballoon inflationによるnucleus basalis Meynert近傍の病変作成後7日後にAChE組織化学染色を行い画像解析装置にて検討すると患側frontal cortexでは反対側に比べ60ー80%のAChE陽性線維の減少を認めた。Nissl染色では神経細胞に大きな変化は認めなかった。
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