Fisher344を用いた同種同系ラット間の半月板移植Syngraft群においては、移植半月板は、全観察期間を通して生着が見られ、軟骨細胞は内縁2/3にて残存しており、軟骨基質は12週以後で再び強いメタクロマジ-を示し、プロテオグリカンの盛んな産生を示した。深層の骨は多くが残存しているのが観察された。LewisよりFisher344へのマイナ-ミスマッチ間の同種半月板移植群においては免疫抑制剤の非投与群では滑膜の増生が強く見られ、軟骨細胞は経時的に変性に陥り基質も線維性組織に置換され、深層部の骨は強い吸収像が見られ、次第に肉芽組織に置換され、癜痕化した。非細胞阻害性の免疫抑制剤であるサイクロスポリチンを投与した同種移植群では、滑膜の増生は非投与群に比し緩徐で軟骨細胞も残存していたが、深層の骨は吸収される傾向にあった。さらに、同種半月板移植に際し、DMSD加の仔牛血清にてー80℃1週間凍結保存したものを移植した群を作成した。凍結保存半月板移植群では免疫抑制剤の投与を行わなくとも、免疫抑制剤投与同種移植群と同様の結果を得ることができ、移植半月板の抗原性の低下に凍結保存が有用であることが示唆された。 さらに半月板が線維軟骨から成るカニクイザルにおいてラットと同様に凍結保存同種半月板移植を行っており、組織学的検討と共に、オ-トラジオグラフィ-を用いて移植半月板の活性を検討中である。また、保存期間による半月板の変化につていも現在研究中である。
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