| 研究概要 |
体生内分解性高分子であるポリ-Lー乳酸(PLLA)を延伸して作製されたスクリュ-,ロッドは,完全に吸収される乳酸類の成形体の中で,最も高い強度を有するものである。すでに,家兎の下腿骨においてPLLAスクリュ-を用いて骨接合術に成巧し,スクリュ-先端の骨形成が金属性スクリュ-より良好なこと及び両者間と骨癒合の差がないことを明かにし,外国雑誌に掲載した。また,高強度秤PLLAスクリュ-のin vitroおよびin vivoでの挙動を研究し,8週間骨内においても,ヒト骨皮質の強度を上回っている強度を維持していた。1年までの組織反応ではほぼ良好な生体親和性を示していた。吸収は,2年でまづ重量を失うと考えられたが,2〜3年においても尚,組織球による貪食像が認められ,完全な吸収には,さらに研究を続ける必要があった。一方,スクリュ-のトクルは,直径の3乗に準じて(その破壊トルクが)増加し,直径6.5mmの海綿骨スクリュ-では1.1N・mであった。スクリュ-のin vitroでの引き抜き実験では,犬大腿骨では,40〜60kgfでアり又,挿入時のトルクは,破壊トルクの1/5〜1/3と小さく,ヒトの骨接合術にも充分応用できることが明かとなった。犬を用いたプレ-ト実験では,部分的に良好な結果を得たいるが,尚,継続実験の予定である。家兎を用いたプレ-ト固定の実験では,金属性プレ-トと比べてより高い癒合率を示していたが,引続き実験を継続中である。以上の結果より,PLLAスクリュ-・ロッドは,ヒトの骨析に対して十分有用であり,臨床応用を行っている所である。
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