研究概要 |
[I]リポソ-ム作成と効果判定:リポソ-ムはシスプラチンとカルボプラチンを用い,組成はLーαーphosphatidylcholine,LーαーphosphatidylーLーserine,cholesterolから成るリポソ-ムと,oxalato(transー1ー1,2ーidaminocyclohexane),platinum(II)とPtCl_2(malonato)(transー1ー1,2ーdiaminocyclohexane)を用い卵黄レシチン,グリセリンとから成るリポソ-ムを作成した。両者とも超音波法にて作成した。リポソ-ム製剤の白金定量値は10〜40μg/mlでトラップ率は約50%強であった。培養骨悪性腫瘍細胞(DUNN OST,RDーES)にこれらのリポソ-ムを投与し抗腫瘍効果を検討した。細胞増殖抑制効果,3HーthymidineによるDNA合成抑制効果は,全て原末投与群に比し増強していた。また細胞内に取り込まれたPDDの原子吸光光度計による測定にても,細胞内PDD含量の増加が認められた。電顕超微形態の観察ではリポソ-ムと思われる脂肪滴が細胞内に多数認められた。リポソ-ムの効果発現までの時間は数分で充分なDNA合成抑制効果を示した。 [II]In vivo 実験:担癌ヌ-ドマウスの尾静脈よりリポソ-ムの注入を試行したが,多量の注入が困難と判明。抗腫瘍効果を期待可能な量のリポソ-ム注入不可であったが,少くともショック等の副作用は認められなかった。 [III]生化学的検索:腫瘍細胞への細胞内取り込み機構はエンドサイト-シスのよるものでこの機構には細胞内CaとATPの関与が必要と思われた。 [IV]温熱との併用効果:温熱感受性リポソ-ム(TAC1043)程の増強効果は得られず,相加効果程度であった。 [JV]温熱との併用効果:温熱感受性リポソ-ム(TAC1043)程の増強効果は得られず,相加効果程度であった。
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