研究概要 |
骨肉腫細胞由来のmatrix metalloproteinase(MMP)が培養環境により産生状況が変わりうることを証明した。通常培養条件下に比べ,タイプIコラ-ゲン,ゼラチン,タイプIVコラ-ゲンを含んだ骨に近い環境下ではMMP産生(MMP2,ゼラチナ-ゼとMMP3 ストロメリシン)が増強された。即ち骨肉腫骨芽細胞はそれが本来であるべき環境下におかれることで本来の細胞活性を示すことが示され,今後の局所骨破壊機序を生化学的に検索していくうえで重要な知見と思われた。 高転移性骨肉腫細胞株と低転移性株の両株を樹立することができた。これは転移機序を解明していくうえで有用なモデルと思われる。今後、検索をすすめるつもりでいるが,現時点では高転移性株ではmultipleのゼラチナ-ゼ活性が低転移株に対して有意に認められている。
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