研究課題/領域番号 |
02670679
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 慎一 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
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研究分担者 |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 講師 (80175950)
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キーワード | 細胞内カルシウム濃度 / 脳虚血 / カルシウム拮抗薬 / バルビツレ-ト / cーfos / NMDA受容体 / 痙攣 |
研究概要 |
本年度は、1)脳神経終末(シナプトソ-ム)の虚血モデルを用いて、カルシウムの流入と、それに対する薬物の影響(カルシウム拮抗薬とバルビツレ-トを中心に)を検討した。2)細胞内カルシウムの上昇により引き起こされる変化を、細胞性癌遺伝子産物であるcーFosの発現をマ-カ-として検討した。さらに、グルタミン酸受容体との関連を検討した。 1)虚血操物(外液のpHを7.4から6.5へ下げる、もしくは、窒素ガスにより脱酸素化を行う)単独ではシナプトソ-ム内カルシウム濃度の有意な上昇はなかった。しかし、外液に高濃度K^+(5-10mM)を加え脱分極させた場合にはコントロ-ルに比べて、虚血群のシナプトソ-ム内カルシウムの濃度は有意に上昇した。10μM以上のニトレンジピンはカルシウウムの上昇を有意に抑制しが、ペントバルビタ-ルにはカルシウム流入抑制作用は無く、1mM以上の高濃度ではむしろ流入を促進した。 2)局所脳虚血のモデルと考えられる痙攣でcーfosタンパク(cーFos)の発現をラット脳を用いて検討した。カイニン酸、ペンチレンテトラゾ-ル、電気痙攣刺激により全身性の痙攣が誘発され、海馬(特に歯状回を中心に)、梨状皮質、扁桃にcーFosの発現が見られた。しかし、局所摩酔薬のリドカイン誘発性の痙攣では、梨状皮質、扁桃に散在性のcーFosが見られるのみであった。この発現は、NMDA拮抗薬のMKー801前投与で消失した。エンフルレン、ケタミンによる痙攣ではcーFosの発現は全く見られなかった。
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