研究概要 |
健康成人の末梢静脈血を採血し,比重分離法により好中球を分離した。採取した好中球をPMAを用いて刺激後,超音波破砕を行い粗膜画分を集め10^6細胞/ml様当量をHanks液に浮遊させ密封管内に封入しN_2に37℃30分間反応させ実験的hypoxia群とした。その後酸素で37℃15分再潅流しreoxygenation群とした。又純酸素のみで37℃15分潅流をした群をoxygenation群とした。これら3群の好中球内汚性酸素生成をNADPH oxydase汚性をみることにより検討をした。各々のNADPH oxydase汚性は別群として大気中においたコントロ-ル群の汚性を100%として比較検討をした。 好中球のNADPH oxidase汚性はコントロ-ル群を100%としてhypoxia群(PaOz:平均28mmHg)で55.8±8.1%(N=4)と有意に低下し,reoxygenation群(PaO_2:平均480mmHg)では121.5±24.3%)N=4)と有意な上昇を示した。Oxygenation群では113.5±21.4%(N=4)と上昇傾向を示したが有意差はみられなかった。 この実験システムの改良に時間がかかったが,本年度において生体内でみられる虚血ー再還流時の好中球の挙動と同様の生体外での挙動結果が得られたことから,これらの一連の挙動に対して1)抗ショック薬として臨床使用されているステOSドホルモン等少薬物がどの様な影響をおよぼすか,2)全細胞系実験においてCa^<++>濃度の変動がこれらの挙動にどの様に関わりあっているか,という2つの問題を明確にするための前実験が完了したと考えられた。
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