研究課題/領域番号 |
02670685
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
白川 洋一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90134600)
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研究分担者 |
関 啓輔 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20226632)
塚本 郁子 香川医科大学, 医学部, 助手 (10183477)
飴野 清 香川医科大学, 医学部, 助教授 (50019626)
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キーワード | 有機リン / 急性中毒 / コリンエステラ-ゼ / アセチルコリンエステラ-ゼ / 薬物速度論 / 薬物濃度 |
研究概要 |
1.高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)による血液中および尿中のフェニトロチオンおよび主代謝産物3ーメチルー4ーニトロフェノ-ルの同時分析法を確立した。試料をSepーPakC18カラムを用いて前処置したのち、溶出液を窒素気流下で濃縮後にMethaqualone(内部標準)を含むメタノ-ル溶液で溶解し、HPLCに注入した。ピ-クは良好な分離が得られ、高い回収率を示し、治療薬物などによる妨害ピ-クは見られなかった。ガスクロマトグラフィ-(FPD検出器よりも検出感度はやや低いが中毒例への応用には十分であった。 2.実際の中毒症例に上記の定量分析を応用した。強制利尿、PAM、血液吸着などの治療がフェニトロチオンの代謝動態に及ぼす影響については、フェニトロチオンの単独分析だけでは不明な点があった。しかし、主要代謝産物の3ーメチルー4ーニトロフェノ-ルを同時分析することにより、より明確に解析しうることがわかった。 3.血漿コリンステラ-ゼおよび赤血球アセチルコリンステラ-ゼの活性の回復過程を速度論的に解析した。中毒によって低下した酵素活性が回復する主役は酵素の新生であり、現在こなわれているような治療では影響を受けにくいことが明らかとなった。しかし、酵素の回復開始時期は体内の残存毒物量を反映しているようであり、有機リン剤のなかでも製剤の種類によって、酵素阻害の動態に違いが見られた。
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