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1990 年度 実績報告書

膀胱保存を目的とした浸潤性膀胱癌に対する動注化学療法と陽子線療法の併用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670698
研究機関筑波大学

研究代表者

大谷 幹伸  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80133081)

キーワード陽子線 / 膀胱癌 / 動注 / CDDP / 放射線 / 膀胱保存
研究概要

1.臨床研究:(1)対象と方法.原則として組織学的にG3あるいは浸潤癌(T2ー3)であって、転移の無い膀胱癌患者16症例を対象とした。治療は、抗癌剤CDDPの下殿動注と放射線の併用を行い、主に近接効果を検討した。効果は臨床診断での浸潤度と、全摘後の病理組織所見で比較した。なお全摘が施行できなかった症例はTURによる病理組織所見を用いた。また陽子線の追加照射は5例について行った。(2)結果.浸潤度の低下は16例中13例に認め、うち7例には癌組織の消失を認めた。合併症あるいは拒否により全摘を行なわなかったのは5例であるが、2例のみ癌の残存があるもののそれぞれ10ヶ月、8ヶ月と元気に生存している。なお陽子線は5症例に追加照射したが、全例生存していて、うち3例は膀胱を保存している。なお2症例死亡したが、他の原因で死亡したものである。以上良好な結果を得ているので、更に症例のつみかさねと陽子線の導入を積極的に図る予定である。
2.基礎的研究:マウスの浸潤性膀胱癌のモデルを用い、陽子線20Gy1回照射の効果の検討を行った。その結果、照射を行った群の3週間後の平均膀胱重量(〓腫瘍重量)は67.7mgであって、照射を行なわなかった対照群(120.6mg)や照射開始時の対照群(110.0mg)に比べて、有意に重量が軽かった。また浸潤度でそれぞれの群を比較した。深部浸潤癌の頻度は、照射群で8/18(45%)であって、対照群の14/17(83%)に比べて有意に頻度が低かった。以上の結果20Gyの陽子線の照射はマウス膀胱癌の治療として有効であり、ヒトの膀胱癌に対しても有用な治療であることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大谷 幹伸、宮永 直人ほか.: "NーButylーNー(4ーHydroxybutyl)nitrosamineによるマウス膀胱癌の進展に対する陽子線照射の効果" 日本泌尿器科学会雑誌. 82. (1981)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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