研究課題/領域番号 |
02670699
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
秋元 晋 千葉大学, 医学部, 助手 (70175800)
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研究分担者 |
正井 基之 千葉大学, 医学部, 助手 (20219314)
角谷 秀典 千葉大学, 医学部, 助手 (50187811)
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キーワード | 前立腺癌 / ras p21 / アンドロゲン結合蛋白 / R1881 / アンドロゲンレセプタ- |
研究概要 |
ヒト前立腺癌の主として生検で得られた組織を用いて、組織化学的検討をおこなった。採取部位は大部分が原発巣であるが、一部は転移リンパ節を用いた。 1.ras p21 いくつかのがん遺伝子産物について検索したが、発現がが高率にみられたのはras p21であったので、これについ検討した。ras p21は潜在癌ではほとんど発現をみないが、臨床癌では過半数にみられ、発現している比率は分化度と比例していた。骨転移を有する患者に内分泌療法をおこない、治療開始後6ヵ月の時点で治療効果の判定をおこなった結果、治療効果は治療前のras p21の発現の有無と関係がなかった。またこれらの症例の生存率と、ras p21の発現とは関係しなかった。 2.R1881結合蛋白 R1881を蛍光化して組織学的に結合蛋白の分布をみると、主としてプロゲスチン結合蛋白と結合している。これは内分泌療法の治療効果や予後とよく相関することを再確認した。ras p21の発現とR1881結合蛋白の有無とは関係がなかった。 3.アンドロゲンレセプタ- アンドロゼンレセプタ-の抗体を用いて、組織化学的にその存在を見出す手抜を確立した。アンドロゲンレセプタ-は分化度が低下するに従って減少していた。 アンドロゲンレセプタ-の組織化学的観察はアンドロゲン依存性の判定の資料になると考えられるので、さらに検討する予定である。
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