研究概要 |
ヒト膀胱癌由来培養細胞株KKー47細胞を用いて以下の実験を行った。光感受性物質はHpDI(Queen Eli3abeth Hospital,Australia)を,培養液はEーaglc MEM(日水製薬)に10%中胎児血清(Microbiological Association,U.S.A)を加えたものを,照射光源はアルゴン色素レ-ザ-光(ADL,630nm,Spectionーphysics)およびUVA;300ー430nm,UVB;280ー320nm,東芝医療用機器株式会社,MーDMRー1)を用いた。HPDIは培養液にて希釈し,細胞毒性,突然変異発現率はコロニ-形成法にて行った。HpDIは処理3時間で細胞毒性が認められない40ug/mlを用い,HpDI処理後ADL1mW/cm^2,2分間照射(0.12J/cm^2)での細胞生残率は22%であり,以下この条件を用いた。UVA照射(cmW/cm^2)では6J/cm^2の照射量にて,UVB照射(0.1mW/cm^2)では0.6mJ/cm^2にてそれぞれ約20%の細胞生残率であり,以下この照射量を用いた。突然変異細胞の選択薬として6ーthioguanine(6ーTG,Sigma)を用いた。10^6個/シャ-レの細胞にHpDIを振触させADL照射した群,UVA又はUVBのみを照射1E群に分け,10^6個/シャ-レ上分注し培養を続けた。この再速養開始時を突然変異発現時間の0日目とした継代培養0,2,4,6,8,6ーTGを加え14日間培養した。同時にコロニ-形成法にて細胞生残率を求めた。UVB照射群における突然変異発現は4日目より増加し,6日目より9日目までほぼ一定であった。HpDeADL照射群およびDA単独照射群の突然変異発現は9日目まで10^5個生細胞当たり8.0±5.2個とほぼ一定であり,無処置の対照群と差異は認めなかった。HpDIを用いた光力学的作用には明らかなmutagenie actinityは認められなかった。また臨床的にも,上皮内癌を主とする40例の難治制膀胱癌に対して光力学的治療を行ったがmutation発現を示唆する所見は認められなかった。
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