研究概要 |
自己リンパ球とHCMVに感染した賢提供者の線維芽細胞,感染していない装提供者の線維芽細胞との混合培養において,増殖した自己リンパ球を前年度とは違った組み合わせで,モノクロ-ナル抗体を用いて,フロ-サイトメトリ-で分析したが,やはり有意差は見られなかった。 T8ーFITC/S6F1ーRD1を用いた分析を前年度に引き続いて,臨床例で行なった。急性拒絶反応では約半数でT8^+S6F1^+細胞が安定期と比較して,増加していた。感染症を発症した症例でも,細菌感染のみでいなく,ウイルス感染症においても,T8^+S6F1^+細胞が増加し、感染症の極期にピ-クとなり,感染症の回復とともに減少した。さらにそのピ-クでは,拒絶反応の時よりも増加率が大きい傾向を示したが有意差は得られず,拒絶反応と感染症の鑑別はできなかった。 前年度に引き続き,賢移植後週一回,末梢血と尿中からサイトメガロウイルス分離を行ない,同時に抹消血リンパ球サブセットの分析を行なった。 OKT4/OKT8 ratioが低下している時に,サイトメガロウイルスが治範されやすく,分離されない症例と比較すると有意差がみられた。OKT4/OKT8 ratioが低下している時には拒絶反応よりも感染症を考えるべきと結論したが,拒絶反応の時には,一定の傾向がなく,拒絶反応の診断としては使用できないと思われた。
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