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1992 年度 実績報告書

精巣間質におけるマクロファージと精巣機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670716
研究機関自治医科大学

研究代表者

徳江 章彦  自治医科大学, 医学部, 教授 (80049022)

研究分担者 大河原 重雄  自治医科大学, 医学部, 助教授 (60049088)
小林 裕  自治医科大学, 医学部, 講師 (20178346)
キーワード精巣間質 / マクロファージ / ライディッヒ細胞 / 線維芽細胞様細胞 / 加齢
研究概要

精巣間質に存在するマクロファージの役割を解明するために、ラット精巣を免疫組織化学と電顕的観察によって形態学的検討を行った。ラットは、精巣機能に差をみとめる幼若期、性成熟期、老齢期の3群に分けた。
マクロファージの出現頻度は、精巣間質に分布する全細胞に対する比率で算出すると、加齢と共に増加し、特に老齢ラットでは出現頻度の著しい増加がみられた。すなわち、幼若期の変化は11.5±3.4%、性成熟期では11.8±7.2%、老齢期では26.2±6.0%であった。またマクロファージの大きさも各発育段階で差があり、加齢に従って小さくなる傾向があった。細胞の長経×短径で表わすと、幼若期では15.6×13.4μm、性成熟期では14.7×11.5μm、老齢期では13.8×11.9μmであった。
すでに報告したように、幼若期の精巣では、集塊をなすライディッヒ細胞を数層に及ぶ線維芽細胞様細胞が取り囲み、大部分のマクロファージはライディッヒ細胞と直接接することはなかった。性成熟期になると、より多数のライディッヒ細胞が集簇をなして間質に分布した。これらライディッヒ細胞の集団を取り囲む線維芽細胞様細胞は消褪して、ライディッヒ細胞はリンパ腔に露出していた。この期のマクロファージはライディッヒ細胞と接触したり、ライディッヒ細胞の集団の中に埋れるように存在した。老齢期では、ライディッヒ細胞は萎縮し、数も減少した。変性に陥ったライディッヒ細胞の近くにはリポフスチンを大量に含むマクロファージがしばしば観察された。
このような各発育段階で認められる、マクロファージの出現頻度と大きさの変化およびライディッヒ細胞とマクロファージの超微構造の変化は、ライディッヒ細胞の発育、ホルモン分泌、さらに変性の陥った場合、その排除等にマクロファージが深く関っていることを示唆する所見と考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 徳江 章彦 大河原 重雄 間藤 方雄: "ラットの精巣間質におけるマクロファージとライディッヒ細胞の生後発育齢に伴う形態学的変化" 日本不妊学会雑誌. 36. 847-853 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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