研究課題/領域番号 |
02670725
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
秋元 成太 日本医科大学, 医学部, 教授 (50089752)
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研究分担者 |
服部 智任 日本医科大学, 医学部, 助手 (60228492)
西村 泰司 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00104026)
川村 直樹 海老名総合病院, 泌尿器科, 医長 (40161369)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 腎腫瘍 / 薬剤耐性 / メタロチオネイン / グルタチオン / シスプラチン / 培養株 |
研究概要 |
シスプラチンは、プラチナ誘導体であってもっともよく効果を示す制癌剤であり、しかも広範囲の有効性を示すが、しかし腎細胞癌には効果を示さない。(1)最初に、われわれは進行性腎細胞癌患者より培養細胞株として、原発巣(HANKS-pr)、肺転移巣(HANKS-Li)、リンパ転移巣(HANKS-Ln)を確立した。(2)われわれは、教室で樹立した腎細胞癌株(NMR-5)を使用して、シスプラチンの耐性機構について検索した。(3)メタロチオネインは、システィンに富む蛋白で、低分子量であり、さまざまな重金属と高い親和性をもつ。マウスの実験で、メタロイオネインがシスプラチン毒性による死亡率をさげる効果があることが知られている。(4)また、担癌マウスでの実験においてその抗腫瘍活性を失うことなく、メタロチオネインの合成によって致死毒性や腎毒性が軽減されることが報告されている。(5)一方グルタチオンは、SH一基をもつ主要な非蛋白質であって、シスプラチンと抱合することによって、シスプラチン活性を低下させることが考えられている。(方法)シスプラチン測定に対する感受性は、MTT法により測定した。細胞内のメタロチオネイン測定は、203Hgバインディング法、グルタチオンの測定は、クロマトグラフィー法によった。(成績)メタロチオネイン濃度とシスプラチンの効果減弱の間に相関関係は認められたが、グルタチオンとの間では、相関相関関係は認められなかった。(結論)腎細胞癌においては、メタロチオネインがシスプラチンの耐性機構に関与しているように思われた。
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