研究概要 |
既知のラット卵巣LH/hCGケセプタ-cDNAよりPCR法を用いて我々のライブラリ-よりラットLH/hCGレセプタ-をクロ-ニングした。これを用いてラット卵巣におけるゴナドトロビンに誘導されるLH/hCGレセプタ-の変動についてtime courseをとり、LH/hCGレセプタ-がgCGの投与によりdown regulationを受けるがmRNAのレベルでもdown regulationが起きていることが判明した。さらにLH/hCGレセプタ-のレベルはmRNAの変化を非常によく反映しているものであることも解った。次にラットLH/hCGレセプタ-cDNAを用いてヒトLH/hCGレセプタ-のクロ-ニングを自作のヒト卵巣ライブラリ-よりクロ-ニングしその構造を明らかにした。ヒトLH/hCGレセプタ-は、7つの膜貫通ドメインを持ちNーlink糖鎖も細胞外ドメインに持つ。細胞内ドメインにはprotein kinase Cによりリン酸化可能部位を3カ所持っていることが新たに我々が発見した。PCR,シ-クエンスのために多くの遺伝子工学用試薬を購入した。またシ-クエンス解読の迅速処理のためにソフトを購入した。ヒトFSHレセプタ-のクロ-ニングに付いては、同様にラットFSHレセプタ-cDNAをプロ-ベに、ヒトFSHレセプタ-cDNAをクロ-ニングした。 その発現に付いては、各々のcDNAをpcDNA1ベクタ-に挿入し293cellに発現して、各々FSH,hCGを作用させて、細胞内に産生されるcAMPを測定し、機能を持つレセプタ-をコ-ドすることが示された。培養細胞では、mRNAの抽出が非常に困難であり、少量のRNAを扱う注意点が多数あることが解った。 抗体の作製に当たっては、レセプタ-全体としては、抗原性が高くなく、現在我々は、既知のレセプタ-の構造をもとに合成ペプチドをハプテンとし抗体を作る方法と、発現ベクタ-にレセプタ-cDNAの一部を組込み抗原として用いることを試みている。
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