研究課題/領域番号 |
02670738
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
広田 憲二 大阪大学, 医学部, 講師 (00189888)
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研究分担者 |
小池 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (70225340)
池上 博雅 大阪大学, 医学部, 助手 (10184409)
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キーワード | 視床下部 / インタ-ロイキン6 / LHーRH / ド-パミン / エストラジオ-ル |
研究概要 |
免疫反応物質であるインタ-ロイキン6(ILー6)の視床下部への影響を中心に検討を加えた。すでに我々はラットの視床下部ニュ-ロンの初代培養系を確立しておりLHーRH分泌やド-パミンの分泌機構を検討するに有利な系を有している。まずILー6の視床下部LHーRH分泌を検討するに先だちLHーRHニュ-ロンの初代培養系を確立した。抗LHーRH抗体を用いてLHーRHニュ-ロンの存在を確認し,カルシウムイオノフォアを用いてLHーRHニュ-ロンからのLHーRH分泌を証明し、これらの実験系がLHーRHニュ-ロンからのLHーRH分泌を検討するのに適していることを初めて報告した。次いでこれらの実験系を用いてILー6のLHーRH分泌を促進することを明らかにした。またILー6が視床下部にて産生されていることならびに性ステロイド(エストラジオ-ル)がILー6産生を促進することも明らかにし、ILー6が性周期に関する視床下部調節に重要な役割を担ったいる可能性が示唆された。一方ILー6の産生を促進するとの報告のあるILー1やTNFーαが視床下部ILー6の産生およびLHーRHやド-パミン分泌にどのような影響をもたらすかも同時に検討を加えた。その結果TNFーαやILー1は視床下部よりILー6を産生させ、同時にLHーRH分泌に促進的に作用することが明らかとなった。一方TNFーαやILー6は視床下部ド-パミンには影響を与えなかった。さらにILー6の下垂体での作用についても若干の検討を加えた。すなわち下垂体の単離細胞の浮遊液を用いてILー6の受容体の存在を検討した。その結果受容体と放射性ヨ-ドでラベルしたILー6との間でのスキャッチャ-ドプロットは得られている。 以上、今年度の研究によりインタ-ロイキン6が視床下部でのLHーRH分泌に関与していることが明らかになった。
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