研究課題/領域番号 |
02670742
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大濱 紘三 広島大学, 医学部, 教授 (20034118)
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研究分担者 |
竹中 雅昭 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (30216923)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 脱落膜浸潤リンパ球 / 子宮内膜浸潤リンパ球 / フローサイトメトリー / CD56^<bright>細胞 / T細胞 / LFA-1 / 活性化抗原 / 自然流産 |
研究概要 |
妊娠初期脱落膜や子宮内膜中には多くの免疫担当細胞が存在し、妊卵の着床や胎盤の発育において重要な役割をになう。本研究は、妊娠初期子宮内膜および子宮内膜より分離したリンパ球についてフローサイトメトリーを用いて検討を行い、妊娠における役割を明らかにすることを目的とする。 これまでの研究により以下のことが明らかとなった。(1)田宮内膜リンパ球のPOPULATIONの検討では、CD56^<bright>細胞は子宮内膜の分泌期後期以降にその頻度が上昇し、妊娠初期脱落膜単核球の60-70%を占めるようになる。一方、T細胞は分泌期後期以降にその頻度が低下が認められ、B細胞、NK細胞、マクロファージの頻度のついては明かな変化は認められず、着床および胎盤の発育とCD56^<bright>細胞が深く関わっている可能性が示唆された。(2)CD56^<bright>細胞、T細胞の活性化抗原の発現頻度は増殖期子宮内膜から妊娠初期脱落膜にかけて低下し、CD56^<bright>細胞におけるLymphocyte function associated antigen-1(LFA-1)の発現は、増殖期子宮内膜から妊娠初期脱落膜においてその発現頻度は低下した。さらに、CD56^<bright>細胞におけるLFA-1の発現頻度はprimed細胞のマーカーとされるCD45ROの負の相関していた。以上より、月経周期子宮内膜における子宮内膜リンパ球に対する機能制御が存在する可能性か示唆された。(3)一方、初期自然流産における脱落膜CD56^<bright>細胞、T細胞の活性化抗原の発現は、正常妊娠に比較してその頻度が高く、K562に対するkiller活性も正常妊娠に比較し上昇しており、これらの細胞が自然流産にも深く関与しているものと考えられるとともに、CD56^<bright>細胞やT細胞の機能制御が妊娠の維持において有利に働いているものと考えられる。 現在、この子宮内膜中の制御因子について検討中であり、今後、リンパ球の絨毛細胞や発膜細胞との相互作用についても検討を予定中である。
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