研究概要 |
本年度の研究実施計画に沿ってその成果をまとめると次のようになる。 1.ヒト生体内におけるリンパ節リンパ球の抗腫瘍性リンホカイン産生の誘導 1)OK-431の全身投与及び子宮頚部局注後のリンパ節リンパ球についてその抗腫瘍性リンホカイン産生能について検討した。その結果、IFN-γ,TNF-αの軽度の産生は認められるものの、modified HTCAによる子宮頚癌培養細胞への抗腫瘍効果は認められなかった。Shizophyllamの術前投与(全身投与、子宮頚部局注)の効果については現在検討中である。生体内で使用可能なリンパ節リンパ球刺激物質の選択に関しては今後更に検討する余地があると考えられた。 2)In vitro実験において、IL-2によるリンパ節リンパ球に対する抗腫瘍性リンホカイン産生誘導の可能性が示された。リンパ球濃度を1×10^6/mlと増加させることにより、無刺激状態に比し、10倍以上のIFN-γ,TNF-αの産生が誘導されることが明かとなった。現在、IL-2 receptor発現との関連において検討中である。 2.本研究の総括 既にIFN-γに感受性を有する子宮頚癌株を標的細胞としたリンパ節リンパ球の抗腫瘍性リンホカイン産生能の検討については誌上発表を平成2年度に行ったが、本年度はTNF-αに感受性を有する子宮内膜癌細胞株を標的細胞として抗腫瘍性リンホカインの中でTNF-αが果たす役割について研究成果をまとめ、誌上発表のために現在投稿中である。また、末梢血リンパ球との比較については現在その成果の発表を準備している。
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