(a) ラット脳におけるGnRH遺伝子 すでに過年度に明らかにしているラット視床下部におけるGnRHmRNAをもとに、今年度は、性ステロイドのフィードバック機構調節の基本的現象であるエストロゲン、プロゲステロン投与後のGnRHmRNAの分析を試みた。しかし、視床下部GnRHmRNAが少なく、その量的変化を、今回はNorthern blot hybridization法では明らかにすることが出来なかった。その後、in situ hybridization法によっても、GnRHmRNAの量的変化を観察しようと試みたが、現在までのところ、未だ明確な結果は得られていない。 (b) ラット卵巣におけるGnRH遺伝子 前年度に明らかにした知見、すなわち、ラット卵巣顆粒膜に存在するGnRHmRNAは、PMSG投与とともに陽性化することから、卵巣性GnRHの産生はゴナドトロピンの制御下にある、という知見を、今年度さらに再確認した。しかし、卵巣性GnRHmRNAの大きさが、700bpで、視床下部のそれの約500bpと異なることも前年度明らかとなっていたので、今年度は、一部、卵巣GnRHmRNAのcDNAクローニングを試みた。まだ研究半ばであり、未だ報告できる結果は得られていない。
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