研究概要 |
研究計画のうち、以下の成果が得られた。(1).アロマタ-ゼ自殺阻害剤14ーOHーandrostenedione(14ーOHA)が体内でA環の芳香化の起こりにくいことを立証する為に、14ーOHAとヒト胎盤ミクロソ-ムをインキュベ-トし、酢酸エチルで抽出後、BioーRad AG1ーXZカラムクロマトグラフィ-、GCーMSにより分析した結果,14ーOHEへの転換はなく、14OHAがエストロゲンに転換しないことが明らかとなった。(2).14ーOHAと各種性ステロイド受容体との結合親和性をみる為、未熟雌ウサギ細胞質と放射性ステロイド(エストロゲン受容体には^3HーE_2、プロゲスラロン受容体には^3HーR5020,アンドロゲン受容体には^3HーR1881)をインキュベ-トし、DCC処理後検討した結果,14ーOHAはいずれの性ステロイド受容体とも結合親和性がなく、この阻害剤にはアンドロゲン乃至のプロゲスト-ゲン効果はないと考えられた。(3).14ーダ-シOHAは種々の婦人科腫瘍組織(子宮体癌、子宮筋腫,子宮腺筋症、乳癌)ミクロソ-ム中のアロマタ-ゼ活性を胎盤と同様、濃度依存性に抑制することが明らかとなった。(4).ウシの副賢よりミトコンドリア、ミクロソ-ムを各々作製し、NET(172ーethynylー19ーnortestosterone)のヒト体内での代謝物(5αーNET)によるデスモラ-ゼ活性(コレステロ-ル側鎖切断酵素,C_<11>ー,C_<21>ー水酸化酵素)への影響を各々に対応する放射性標識ステロイド基質を使って、インキュベ-ション後の転換能よりこれら酵素活性への影響を調べたが、ほとんどないことが明らかとなった。
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