• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

遠心性支配神経による蝸牛調節機構の病態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670756
研究機関東北大学

研究代表者

大山 健二  東北大学, 医学部附属病院, 講師 (10152266)

研究分担者 朴沢 孝治  東北大学, 医学部, 助手 (20199459)
キーワード遠心性神経 / 蝸牛生理 / 耳音響放射 / 感音性難聴 / 歪成分耳音響放射
研究概要

蝸牛に分布する遠心性神経の働きをモニタ-する為に、近年大幅に計測技術が進んだ耳音響放射を利用した。この現象は蝸牛の正常な働きに付随した現象と考えられ、基本的に4種類のものが知られているが、本邦では最近まで最も古典的なEOAEの研究しか行われていなかった。そのため、初年度の研究は4種類すべての耳音響放射を精密に計測するシステムの構成に費やした。この過程で、従来極めてまれなものとされていたモルモットのOAEを多数観測する事ができ、その基本的な性状を初めて明らかにする事ができた。OAEを有する動物での遠心性神経刺激は、予想に反してその周波数やレベルに大きな影響は与えなかった。
このシステムを基にして、2年目はDPOAEと呼ばれる現象の計測手法を検討した。その結果、DPOAEによって従来の聴覚検査では不可能だった客観的な聴覚機能の評価ができることが明らかになった。しかも、この現象は周波数特異性が非常に高く、精密純音聴力検査でも捕捉しえないような限局した蝸牛の機能障害を明瞭に描出することができた。さらにこの計測法をモルモットに応用し、今後研究を進める上での基礎的なデ-タを得て学会発表の形で公表した。しかしながら、この方法によっても難聴をもたらしている病因を鑑別診断することはそれほど容易ではなく、蝸牛遠心性支配神経の病態の診断法として利用するにはさらに基礎的な検討が必要であると思われた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ohyama,K et al.: "Spontaneous otoacoustic emissions in the guinea pig." Hearing Research. 56. 111-121 (1991)

  • [文献書誌] 大山 健二他: "歪成分耳音響放射(DPOAE)による蝸牛機能の評価" Audiology Japan. 35. 46-55 (1992)

  • [文献書誌] 高坂 知節,大山 健二: "耳音響放射の臨床応用ー最近の進歩ー" 耳鼻咽喉科臨床.

  • [文献書誌] 和田 仁,大山 健二,高坂 知節: "ヒトにおけるsynchronous evoked otoacoustic emissionsの抽出" Audiology Japan. 35. 41-45 (1992)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi