研究概要 |
喉頭癌で喉頭全摘出術を受けると発声不能になり社会生活に大きな支障をきたす,本研究の目的は,これら無喉頭者の福音となる新しい人工喉頭を開発することである.本研究は3年計画であり,本年はまず,従来から市販されている人工喉頭の音声を分析した.これらの人工喉頭は音源が生来の喉頭の位置にないため,構音や音質に問題がある事がわかった.音声の面からみると,理想的な音源の位置は下咽頭で,駆動力は気流であると考えられた.また,新しい皮膚下咽頭瘻型人工喉頭を試作した.呼気を利用してリ-ドを振動させ,この音を皮膚下咽頭瘻孔から下咽頭腔に入れて構音するもので,通常の声に近い,良好な音質が得られた.長期留置あるいは埋め込み可能な材質,形状の決定,小型化が今後の課題である.
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