研究課題/領域番号 |
02670769
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
川内 秀之 大分医科大学, 医学部, 講師 (50161279)
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研究分担者 |
植山 茂宏 大分医科大学, 医学部, 助手 (10213399)
一宮 一成 大分医科大学, 医学部, 助手 (70223112)
鈴木 正志 大分医科大学, 医学部, 助手 (60211314)
茂木 五郎 大分医科大学, 医学部, 教授 (20035190)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 内耳免疫 / 内リンパ嚢 / エンドトキシン / 内リンパ水腫 / endolymphatic hydrops |
研究概要 |
マウス内リンパ嚢における免疫担当細胞の分布について飼育環境の異なるGF,SPF,およびCVマウスを用いて免疫組織化学的に検討した。その結果、抗原刺激の頻度が高くなるにつれて内リンパ嚢上皮下組織に存在するリンパ球数が増加した。 2)中耳炎起炎菌であるHaemophilus influenzaeの菌体成分であるエンドトキシンを中耳腔に注入し内耳への影響について検討した。その結果、エンドトキシンが正円窓を透過して内耳の炎症反応さらに内リンパ水腫を引き起こすことが示された。 3)内耳への抗原刺激時における内耳局所免疫応答において内リンパ嚢上皮下組織に動員されるリンパ球が内耳局所での抗体産生に与かっていることを以下のごとく証明した。同系ラットであるWistar-Kingラットを用いて、抗原特異的(KLH特異的)抗体ならびに感作リンパ球の受動感作モデルを作成し、内耳へKLHで抗原刺激を行い、その際の外リンパ液中の抗原特異的抗体価を測定し、さらに内リンパ嚢上皮下組織に動員されたリンパ球のサブセットについて免疫組織学的な定量的検討をおこなった。その結果、免疫血清のみを受動移入したラットにおいては、抗原注入側外リンパ液中の抗原特異的抗体価は非注入側と比べ上昇せず、内リンパ嚢上皮下組織における単位面積あたりのIgG陽性リンパ球の数においても差がなかった。一方、免疫血清ならびに感作リンパ球を同時に移入したラットでは、抗原注入側外リンパ液中の抗体価が非注入側に比べ上昇し、内リンパ嚢上皮下組織の単位面積あたりのIgG陽性リンパ球の数が有意に増加していた。さらに同時期の内リンパ嚢上皮下組織においてhelperT細胞やsuppressorT細胞も動員されていた。以上の結果より、内耳局所二次免疫応答においては、内耳局所感作後早期においての内リンパ嚢への免疫担当細胞の動員には抗原特異的抗体ならびに前駆細胞としての感作リンパ球が必要であることが示唆された。
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