低眼圧緑内障における視神経障害の発生の上で眼圧ならびに他の因子の果す役割について

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02670782
• 研究機関: 岐阜大学
• 研究代表者: 北澤 克明 岐阜大学, 医学部, 教授 (20009484)
• 研究分担者: 松原 恵子 岐阜大学, 医学部, 助手 (10199838) ; 河合 憲司 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (00169666) ; 富田 剛司 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (30172191) ; 直原 修一 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (50115408) ; 舩橋 正員 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30112709)
• キーワード: 低眼圧緑内障 / 視神経乳頭 / 視神経乳頭画像解析 / 視神経乳頭陥凹 / 実験的緑内障 / vasospasm / 虚血性ショック / 眼圧

研究概要

1.正常眼、低眼圧緑内障眼視神経乳頭の形状の解析:ヒト正常眼、低眼圧緑内障眼、正常サル眼を対象として、視神経画像解析装置(Optic Nerve Head Analyzer,Rodenstock,Retinal Analyzer,Humphrey)を用いての、乳頭の形状の経時的変化を把握する上で不可欠な視神経乳頭の形状を表わすパラメ-タ-、特に陥凹の形状、深度の定量的測定の再現性に関する研究は、計画通り進展し、現在眼圧レベルと乳頭形状の各パラメ-タ-との関係を非線形解析により解析中であるが、陥凹の形状、深度の定量的測定はともに変動係数は、5ー8%と良好であることが明らかとされている。
2.サル実験的低眼圧緑内障の作製:サルを対象として、虚血性ショックまたはNaCl.Kの持続的全身投与による持続性の実験的vasospasmに伴って生ずる緑内障性乳頭変化、すなわち実験的低眼圧緑内障の乳頭変化を惹起する実験は5頭のサルで本年7月より行っているが未だ乳頭の形状には異常を認めていない。
3.実験1の成績は現在解析中であるが、ヒト正常眼で乳頭の形状を表わすパラメ-タ-に個体差が大であるのに対し、正常サル眼では個体差が少ないことを示唆する結果を得た。

研究成果

• [文献書誌] 北澤 克明,松原 恵子: "緑内障の発見と管理に関する新しい展望(I)治療による乳頭と視野の改善" あたらしい眼科. 7. 153-158 (1990)
• [文献書誌] 松原 恵子,藤墳 容子,富田 剛司,北澤 克明: "コンピュ-タ-画像解析装置による緑内障性乳頭陥凹の可逆性の観察" 日本眼科学会誌. 94. 604-609 (1990)
• [文献書誌] Kazuhisa Sugiyama,Yoshiaki KUTAZAWA,Kenji KAWAI: "Apraclonidine effects on ocular responses to YAG laser irradiation to the rabbit iris" Investigative ophthalmology & visual science. 31. 708-714 (1990)
• [文献書誌] Kazuhisa Sugiyama,Yoshiaki KITAZAWA,Kenji KAWAI,Takio ENYA: "Biphasic intraocular pressure response to Qーswitched Nd:YAG laser irradiation of the irisand the apparent mediatory role of prostaglandins." Experimental Eye Research. 51. 531-536 (1990)
• [文献書誌] Yoshiaki Kitazawa: "Epidemiology of primary angle closure glaucoma" ASIAーPACIFIC Journal of Ophthalmology. 2. 78-88 (1990)
• [文献書誌] Kazuhisa SUGIYAMA,Yoshiaki KITAZAWA: "Trabecular pigmentation following extracapsular cataract extraction and posterior chamber intraocular lens implantation" Ophthalmic Surgery. 21. 700-703 (1990)
• [文献書誌] 監修 真鍋 礼三、北澤 克明、宇山 昌延: "目でみる眼科確定診断(上・下巻)" メジカルビュ-社, 1-206 (1990)