研究分担者 |
曽賀野 茂世 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (00236150)
杉山 和久 岐阜大学, 医学部, 助手 (80179168)
塩谷 滝雄 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (60168763)
山本 哲也 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50134581)
直原 修一 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50115408)
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研究概要 |
1.低眼圧緑内障眼の視神経乳頭の形状と視野の解析:低眼圧緑内障眼を対象として,その主要病因とされている眼圧を手術的に下降させ,術前,術後での視神経乳頭の形状の変化と視野変化を経時的に観察した。視神経乳頭の形状解析には視神経画像解析装置(Optic Nerve Head Analyzer,以下ONHAと略す,Rodenstock)と新たに開発されたconfocallaser scanning ophtalmoscope(以下SLOと略す,Rodenstock)とHeidelberg retinal tomograph(以下HRTと略す,Heidelberg Engineering)を用い,視野検査にはハンフリー自動視野計を用いた。 その結果次のことが明らかとなった:1)低眼圧緑内障眼でも原発開放隅角緑内障眼同様,眼圧下降により乳頭陥凹が有意に減少する。2)手術による下降した眼圧が維持されると3-6ヵ月で有意の視野の改善が生ずる。このことから,低眼圧緑内障における視神経障害発生の上で,眼圧が重要な役割を演ずること,本症において正常範囲にある眼圧を更に下降させることが治療の上で有用であることが示唆された。現在,SLO,HRTで得られた乳頭篩板の画像解析により,陥凹の減少と篩板の形状の関係の検討を開始した。 2.実験的低眼圧緑内障の作製:サルを使用する前の予備実験として家兎を対象として,endothelin-1(ET-1)を硝子体内に注入し,網脈絡膜血管のvasospasmを惹起し,視神経乳頭に生ずる変化を調べた。ET-1 10^<-B>ないし10^<-6>モル,0.1mlの硝子体内注入により1〜2時間にわたる著明な網膜血管収縮が認められたが,視神経乳頭には変化が認められなかった。しかし,10^<-5>モル,0.1mlの硝子体内注入により,数時間にわたる網膜血管収縮とこれに続発する視神経乳頭萎縮を認めた。
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