研究概要 |
シクロスポリン(CYA)及びFK506の眼局所投与方法について検討を加えた。両剤の単回投与による角膜内濃度を経時的に調べた。0.05%CYA点眼では30分後で約1300ng/gr,24時間後で約700ng/gr,0.0%FKー506点眼では30分後で約370ng/gr,24時間後で約130ng/grであった。FKー506を0.1mg/kg結膜下注射し、7日後では約127ng/grであった。上記の値は両薬剤とも血中の有効濃度と同等の値であった。 家兎角膜移植を行い、2週間後に皮膚交換移植を行った。CYAは0.025%点眼,0.05%点眼,0.05%点眼,FKの506は0.1mg/kg結膜下注射(1週1回)の4群とαーCD(CYA溶解剤)のみの点眼をコントロ-ルとして免疫抑制効果について比較した。50日間の投与後では、0.025%CYA点眼群で10眼中4眼,0.05%CYA点眼群では、10眼中2眼,0.1%FKー506点眼群では10眼中0眼,結膜下注射群では10眼中1眼,コントロ-ル群では10眼中8眼が免疫反応を発症し、コントロ-ル群と比較して0.05%CYA,0.1%FKー506,FKー506結膜下注射では有意に免疫抑制効果の延長が認められた。上記結果から両薬剤の眼局所投与による免疫抑制効果が期待出来る。
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